名刺の無い世界
ビジネスでの人間関係は、
上司、部下、同僚、顧客、仕入れ先といった関係が基本。
いや、すべてと言ってもいいかもしれない。
また、目的もはっきりしている。
製品、サービスを顧客に提供して、利益をあげる。
その1点である。
目的が共有されているから、コミュニケーションも
自ずとスムーズに運びやすいようになっている。
(当然、例外もあることにはあるが)
そのコミュニケーションを介在するツールが名刺である。
名刺の威力は強力だ。
いちいち説明しなくとも、名刺を見ただけで、
本人のことにイメージが湧いてくる。
いずれにせよ、サラリーマンを長く続けていると
人間関係の大部分が名刺をベースとしたものとなる
ということは論を待たない。
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ここ半年、仕事とは一切関係がない、ある会合に参加している。
完全なプライベートでの活動である。
したがって、名刺を交換する、ということもない。
会合の内容はとりあえず、伏せておく。
参加メンバーはおよそ100名。世代もさまざまである。
当然、この会合以外ではあったこともない人々、
あるいは、会合に参加しなければ会うこともないであろう人々と
それなりに、人間関係を築いていくことになる。
ビジネスであれば、まずは名刺交換から、ということになるのだが
ここでは、そういうことはしない。(必要ない)
したがって、ビジネスシーンではめったにお目にかからない経験や
思いをすることにもなる。非常に新鮮である。ワクワクする。
もちろん、気分の良いものばかりではない。
むしろ、違和感を感じることの方が多いかもしれない。
違和感を感じるのは、
自分の常識と現実の出来事にギャップがあるからだ。
違和感を感じることが多いのは、
自分の常識と現実のズレを感じることが多いからだ。
あまり大げさに考えるつもりはないが、
世間様の常識とずれた人間になっているのかもしれない
なんて考えたりする。
もっとも、世間様の常識が必ず正しいものであるとは限らないが。
あるいは。
ビジネスとは全く異質の世界だから、
違和感を感じない方がどうかしている、と言えるかもしれない。
これはが本当なら、重要な気づきだと思う。
ビジネスマンである前に、一人の人間なのである。
ビジネスとプライベートのバランスを最適化するべし、
というのは大事なことだ。
毎日残業してでも仕事だけしてればよい。
という時代は、自分の中ではとっくに終わっている。
この会合を自分の中のバランスをとるために使おう。
名刺の無い世界。
非常に貴重な経験をさせてもらっている。
ではでは。